約 491,462 件
https://w.atwiki.jp/zensensyu/pages/1690.html
性的な意味で 101 名前:水先案名無い人 :2006/03/02(木) 20 13 54 ID 6agR0B+Y0 全選手入場!! もちろん、性的な意味で。 虎殺しは生きていた!! 更なる研鑚を積み人間凶器が甦った!!! もちろん、性的な意味で。 総合格闘技はすでに我々が完成している!! もちろん、性的な意味で。 組み付きしだい投げまくってやる!! もちろん、性的な意味で。 素手の殴り合いなら我々の歴史がものを言う!! もちろん、性的な意味で。 真の護身を知らしめたい!! もちろん、性的な意味で。 ボクシングは3階級制覇だがケンカなら全階級オレのものだ!! パナマの鉄拳 ラベルト・ゲランだ!!! 打撃対策は完璧だ!! もちろん、性的な意味で。 全格闘技のベスト・ディフェンスは私の中にある!! もちろん、性的な意味で。 タイマンなら絶対に敗けん!! もちろん、性的な意味で。 バーリ・トゥード(なんでもあり)ならこいつが怖い!! もちろん、性的な意味で。 韓国海兵隊から炎の虎が上陸だ!! もちろん、性的な意味で。 ルールの無いケンカがしたいからバウンサー(用心棒)になったのだ!! もちろん、性的な意味で。 めい土の土産にベルトとはよく言ったもの!! 達人の奥義が今 実戦でバクハツする!! もちろん、性的な意味で。 世界ヘヴィ級チャンプこそが地上最強の代名詞だ!! もちろん、性的な意味で。 闘いたいからここまできたッ キャリア一切不明!!!! もちろん、性的な意味で。 オレたちは立ち技最強ではない格闘技で最強なのだ!! もちろん、性的な意味で。 柔術の本場は今やブラジルにある!! オレを驚かせる奴はいないのか!! もちろん、性的な意味で。 デカカァァァァァいッ説明不要!! 2m40!!! 310kg!!! もちろん、性的な意味で。 柔術は実戦で使えてナンボのモン!!! 超実戦柔術!! もちろん、性的な意味で。 ベルトはオレのもの 邪魔するやつは思いきり殴り思いきり蹴るだけ!! もちろん、性的な意味で。 自分を試しに日本へきたッ!! もちろん、性的な意味で。 鎬流に更なる磨きをかけ帰ってきたァ!!! もちろん、性的な意味で。 今の自分に死角はないッッ!! もちろん、性的な意味で。 中国四千年の拳技が今ベールを脱ぐ!! もちろん、性的な意味で。 ファンの前でならオレはいつでも全盛期だ!! もちろん、性的な意味で。 医者の仕事はどーしたッ 闘士の炎 未だ消えずッ!! もちろん、性的な意味で。 特に理由はないッ 横綱が強いのは当たりまえ!! 協会にはないしょだ!!! 日の下開山! もちろん、性的な意味で。 暗黒街で磨いた実戦カラテ!! もちろん、性的な意味で。 実戦だったらこの人を外せない!! もちろん、性的な意味で。 超一流レスラーの超一流の喧嘩だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ もちろん、性的な意味で。 武術空手はこの男が完成させた!! もちろん、性的な意味で。 若き王者が帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ チャンピオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ もちろん、性的な意味で。 加えて負傷者発生に備え超豪華なリザーバーを4名御用意致しました! カポエイラ もちろん、性的な意味で。 伝統派空手 もちろん、性的な意味で。 東洋の巨人!もちろん、性的な意味で。 ……ッッ どーやらもう一名は到着が遅れている様ですが、到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ もちろん、性的な意味で。 関連レス 105 名前:水先案名無い人 :2006/03/02(木) 20 28 12 ID gDyRNgRl0 ラベルトゲランってそんなに凄い奴だったのか…! もちろん、性的な意味で。 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/4303.html
49◆死句発苦 ――世界は解釈しだいで姿を変える。 目で見て、形と色を定義して。 鼻で嗅いで、匂いと刺激を感知して。 耳で聴いて、音と声とを認識して。 手で触って、感触と湿度を確かめて。 口に含めば、味と温度を理解する。 それはまだ、受け止めただけで止まっているただの情報にすぎない。 情報を情報のまま処理するのなら、人間と他の動物は何も変わらない。 その情報をさらに脳で変換して、意味を付加する。 言葉に変える。 それが、解釈のひとつめ。 ひとりひとりやり方は違う。言葉の選択も、表現の仕方も。 故に人それぞれの解釈で、世界は虹めいている。 そして。 なぜ文字にするかと言えば、他の誰かに伝えたいからだ。 自分だけが持っている情報を、体験を、解釈を。物語を。ほかの人と共有したいからだ。 だから人間は文字を使う。 そこに凝縮した他人の解釈を解きほぐして、明らかにし、自分の中に入れる。 それが、解釈のふたつめ。 記号の羅列から意味を読み解く、人間にしかできない行為。 人と人を繋いで、生かし合うための行動だ。 「だから、解釈で殴り合うなんてことをやる時点で、言葉の使い方間違ってんだよ。 ましてや解釈で殺し合うだなんて、それこそ履き違えの極致だな。 おい会木ィ、今度そんな戯(ざ)れたことほざいたら秒で赤点つけるから覚悟しなさい」 ……以上、現文のリリリ先生こと刑利則(しおき・としのり)先生より、 赤点控え選手の高校生、会木巡(あいき・じゅん)が受けたありがたい補習講の一幕だ。 「いやどんなことを口走ったらそんな講義受けんのさ」 「それは秘密で」 「ええー。じゃあなんであたしにその話をしたのさ」 「なんとなく。七晴さんがどう思うか聞きたくなったというか」 放課後ゲーセン、音ゲーコーナー。 俺は右手と左手を交差させ、ボタン6とボタン3を同時に押した。 げっ、と声を出しつつ、隣の台の七晴(ななはれ)さんはボタン5に手をひっかけた。 アップテンポにオーケストラを重ねてダブステで煮込んだボス曲のスコアアタック。 終盤のさみだれ入り乱れの譜面を処理するには先の交差押しが必要なのだが、その入りをミスするということは、 「うぎゃ〜崩れた〜」 98873 vs 96325 で俺の勝ち。 ううん、あとgood5減らせれば新スコアだったけど。 腕が鈍ってないのを確認できただけで御の字か。 「脇が甘いですね七晴さん」 「てかスコアタ中に話しかけんなクソガキ」 「すみません、俺ゲーム中以外はコミュ障なんですよ」 「せめて選曲中とかにしてよねもー」 愚痴口しつつ、マニキュアを塗った右手でぽりぽりと頭を書く七晴さんは、近くのアパレル系の会社で働くOLだ。 見た目ファッション勢ながら実はこのゲーセンでは音ゲ勢の古株で、 高校の頃から「ゲーセンに通うから近い会社行くわ」と宣言し、実行したつわものだという。 そんな七晴さんに今の話を振ったのは、上記のステータスを見てではない。 「で、どう思いました? 何かの解釈で揉めるのは、間違い、なんでしょうか?」 「そうねえ。抽象的な話だから、いまいちピンと来ないけど。 あたしとしては……一理あるけど、結局はそれもあんたの解釈じゃないの、って感じかな。 あたしは別に解釈でガチりあってもいいと思うよ。AxBとBxAみたいなもんでしょ?」 「掛け算なら答えは同じじゃ?」 「ビンタしていい?」 「すみません」 七晴さんは同人活動家でもあるのだ。 ジャンルはもちろん音ゲーである。 初めて知ったときは、世界って広いな、と感心したものだ。 「xの奥深さに関しては話の腰じゃないから無視して先に進むと。 解釈ってのはそれこそ、10人居たら10通りあるわけでしょ?」 「そうですね」 「で、当然いろんな解釈があるわけじゃない。 パッと見の印象だけの解釈と、読み込んで自分の中に落とし込んだ解釈。 ハッピーな方向の解釈と、バッドな方向の解釈。 自分本位の決めつけ解釈に、誰かの影響を受けまくりの解釈……」 七晴さんは小気味よく腕を動かし、空中にぽすぽすと解釈を並べる。 「自分に近い解釈とか、はっとさせられる解釈とか、まあ美味しいものも多いと思うけども、 人間ってグルメだから、舌が受け入れにくいのもあるわよね。 受け入れられるなら頂けばいいけど、 受け入れられないなら、そういうのは視界から消すしかないわけよ」 ぺし、と空中の解釈をその場から払う。 「解釈の、取捨選択。 いいものだけを食べていく。 転じて、より多くの人に食べられた解釈が、強い解釈になっていく」 「……う」 「その、国語の先生? の解釈を混ぜるなら、きっとそういうのも人間のつくりなのよねえ。 強い解釈が生き残って、弱い解釈が淘汰される。 そういう仕組みにしておかないと、解釈が増えすぎて支離滅裂になるんだと思うわ――って、ジュンくん聞いてる?」 七晴さんが俺の方を向いた時、 俺は胃の中から込み上げてきた吐き気を抑えようと口に手を当てていた。 「……どしたの」 「すみません」 「?」 「いえ、気にせず。続けてください」 大丈夫。一、二回くらいならそこまででもない。 俺はすぐに姿勢を直す。 七晴さんは頭にクエスチョンマークを浮かべていたが、 まあジュンくんがそういうならいいけどね、と言って話を続けてくれた。 「ま、結局、解釈ってのは殺し合いになる運命なのよ。 みんながみんなの解釈を自然と受け入れられたら、いちばん平和なんだろうけどさ。 どんな解釈でも楽しめ、許せ、受け入れろってのは、横暴よね。言ってしまえば、愛が足りないとさえ感じるわ」 「愛、ですか」 「思い入れの強さとも言うかな。たとえば10年同じジャンルで同じカプの本書き続けてる子とか知り合いにいるけどさ、 そのレベルまでいくともう、自分の解釈が自分そのものと一緒なのよ。 あのカプといえばあの子、みたいなのを超えて、あのカプイコールあの子になるくらいの感じね。 そういう子の前でその解釈を否定することは、その子の全部を否定する事になりかねないでしょ」 人差し指を使って、顔の前でバツをつくる七晴さん。 「人それぞれに譲れないものがあって――だからこそ誇らしいものがあって――だからこそ戦争になる」 「七晴さんは言った経験があったり?」 「ないねえ。あたしは空気と譜面だけは人より読めるから。帳簿はあんまり読めないけど」 「仕事大丈夫なんですか……」 「意外とピンチ。タカとかラックあたりもらってくれねーかしらん」 「あの人らはゲームバカなんで無理では」 「別にジュンくんでも構わないけど?」 「えっ」 「冗談でーす。もう五年後なら分かんないけどね。――で、長々言ったけど、アンサーになった?」 「……はい。十二分に」 「そ。じゃ、もう1クレやろっか」 台待ちベンチからさっぱりと立ち上がると、七晴さんは俺に手を差し伸べた。 「タカとかラックもだけど、あたしらもそうでしょ? こうやってないと死んじゃうって、自分で自分をそう解釈して、ゲームやってるようなバカなんだから。 死んでも戻ってくると思ってたよ。おかえり、ジュン」 「……ただいまです」 このあとめちゃくちゃ音ゲーした。 途中でタカさんとラックさん(ゲーセンの最常連、もはやゲーセンが仕事勢)に声をかけられ、格ゲやらSTGやらカード系やらビビるほどやらされた。 再会祝いということでクレは全て向こう持ちだった。ありがたやありがたや。いつか返さなきゃ。 閉店の間際まで続いた宴は、俺にやっぱりゲーセンは楽しいのだという現実を、嫌というほど教えてくれた。 ちょっと前まで。 俺は、あんなに楽しかったゲーセンのことを、楽しめなくなってしまっていた。 上手さとか正しさとかそういうものに囚われて、楽しむ心を見失っていた。 自分の解釈を、殺していた。 でも。世界は解釈しだいで姿を変える。 いっとき灰色に見えてしまっていた世界は、世界が灰色になったのではなくて、 世界を見る俺の目が灰色に見えるように変わってしまっていただけだったのだ。 蓋を開けてみればなんてことはない。楽しもうとする心を、忘れていただけのこと。 「タカさん、ラックさん、あざす」 「いいってことよ。久々にジュンの技を喰らえたからな。それに喰い返せたし」 「まさかまだあんな繋ぎがあったなんて……抜けてました。研究します」 「休憩してた分のビハインドは重いぞ〜? もう俺たちに追いつけないかもしれねーな、くくく」 「大丈夫です、赤点さえ取らなければめっちゃ張り付くんで」 ぱき。 ラーメン屋のカウンター席で、割り箸を割る。 極太麺とシャキリとしたもやし、絡む豚骨スープが深夜の胃袋にこってりと染みる。 閉店後の感想会。 いつもは門限の関係で断っていたけれど、今日は親に無理を言って参加している。参加したかった。 「今日は、マジでありがとうございました」 「おう?」 「何だよお前急に改まって」 「いやその、いろいろと。気を使って貰ったというか」 「ああ、七晴を呼んだことか? お前が呼べって言ったから呼んだだけだぞ」 「あいつどうせ暇なんだから気にするこたねーよ」 「てかラーメン喰いに来いってのな! 肌なんてどーせいつも荒れてんのに!」 「全くだよな」 「いやその……それもなんすけど。何も言わずに消えてたの、もうちょっと突っ込まれるかと思ってたんで」 「あ?」 小さくつぶやくと、タカさんとラックさんは不思議そうな目で俺を見た。 「おいおいジュンよお。そいつはどうにも解釈違いってやつだぜ」 「そういうとこ考えすぎるのはよくないぞ若坊」 「……そうなんすか?」 驚いた顔の俺に、あきれ顔の二人。 「遊びはあくまで遊び。やりたい時にやって、やめたいときにやめて。 戻りたいときに戻ってくることができる場所。そういうのが俺たちの理想なの」 「あと、プライベートなことはむやみに持ち込まないってのもな。 相談されたら話は別だが、自分からは突っ込んでいかない。 そのへんは忘れて楽しめる場所であってほしいってのが、俺たちの本音だよ」 「戻ってきたってことは、嫌いになったわけじゃなかったってことだしな」 「そうそう。まあ強いて言うなら、そうだな……」 タカさんは何かの力仕事かで鍛えた腕を使って、俺の頭頂部をがっしと掴むと自分の方を向かせた。 顔が近い。 めっちゃ見られる。 「な、なんすか」 ここまできてBのLな展開は勘弁なんすけど。 「――いや、やっぱちょっと変わったよなと思ってな」 「か、……変わった?」 「それな。精悍になったというか。修羅場を超えたというか。いい顔つきになったよな」 「いない間にどっかで修行でもしてたのかお前?」 「そ、れは……」 驚いた。 何も言ってないのに。 さすがは、人生の先輩なだけはある。 俺はやんわりとタカさんの腕を払うと、 「や、秘密っす」 と言って、豚骨スープを喉に流し込んだ。 いくら何でも言えるわけがない。 人生三回やり直しても遭遇しないような夢の中で、文字になって解釈で殺しあっていたなんて。 ゲームの設定にしたって、チープが過ぎるものだから。 ラーメンは、死ぬほど美味しかった。 「食い過ぎたな……」 若干ぽっこりと膨らんだお腹をさすりながら、帰路、マンションの階段を登る。 午前一時。月の明かりだけの世界、冷たい空気が頬を冷やす。 満腹の胃袋の苦しささえどこか心地よく、自然と俺は微笑みを浮かべていた。 好きに生きている実感がある。 あらゆる現象を前向きに考えられている確信がある。 深夜、一人でも寂しくない。廊下の奥の暗闇に恐怖を感じない。 回り道なんてしなくても、心を準備するためのタイムラグがなくても、今ならきっと、すこしだけ強く生きていける。 「ただいま」 もう寝ているだろう親や兄弟を起こさないように、そっと玄関のドアを開けた。 「――よう。遅かったな」 待っていたのは、顔の半分を失った優柔不断さんだった。 まるで痛みを感じてないかのように笑って、フレンドリーに語り掛けてくる。 「人を殺して食うラーメンは美味いか?」 「美味しかったですよ」 俺も笑って、優柔不断さんの胸のあたりに思い切り手を伸ばす。 ずぶずぶ。 ケーキにフォークを入れるくらいのゆるやかさで、手刀は優柔不断さんの体へと突き刺さる。 生ぬるい、肉の感触。 隙間からこぼれていくラズベリーソース色の血液。 たとえ胡蝶の夢の残滓だと分かっていても、それはどこまでも悪趣味で。俺は小さくため息をつく。 「デザートがあなたじゃなきゃもっと美味しかった」 「おいおい情緒がねえな。久々の登場なんだからもっと歓迎して欲しいんですけど」 「すみませんが、もう眠いので。化けて出るのは明日とかに回してくれませんか?」 「おいやめろ、突っ込んだままぐちゃぐちゃ搔きまわすな。っていうか、もうちょいびびれ?」 「昨日猪突猛進さんが出てきたときはそりゃあびびりましたけど、二日続けられるとこっちも冷めるっていうか……」 「ずいぶん勝手なことを言うようになったなお前、言っとくがオレは――」 一気に腕を引き抜いて、放っておくといつまでも喋り倒してくるであろうその口を塞ぐように、優柔不断さんの半分の顔を掴む。 そのまま靴を脱いで、玄関から家に上がる。 その一歩のアップダウンの動きを使い、優柔不断さんの顔を一瞬掴み上げ、そのまま思い切り床に叩きつけた。 「ぐわレ」 断末魔のトーンがなんとも微妙だった。 赤い水風船が弾けたみたいになって、優柔不断さんの頭部が元の形を失くし、そのまま動かなくなった。 振り返らず、自分の部屋に歩を進める。 でも、そうそう上手くはいかない。 ぐいんと伸びてきた左手が、俺の右足に爪を立てる。 どこからか、優柔不断とは程遠い、強く決断的な声がする。 反響する。 『後悔だぜ』 「……」 『前に前に歩くのは、別に止めないけどなぁ……辿ってきた道を振り返るのを止めるなよ?』 わかっている。 わかり切っている。 優柔不断さん、あなたは、「僕」の後悔だ。 だってあなたは、あの場所で「僕」が唯一、唯一無二、ただひとりだけ。 棒立ちな理由でもなく、前向きな理由でもなく、……後ろ向きな理由をもってして殺した人間なのだから。 『忘れるなよ。閉じたままにするなよ? そして一切、脚色するなよ? 凛々ちゃんの手前じゃあ、ごまかしの言葉も言わせてやったけど……お前って人間は』 「……」 『お前って人間は。オレだけは。オレのことだけは、「嫌いだから」殺したろ?』 「……はい」 そうだ。 その通りだ。 「僕」は、優柔不断さんに関してだけは、一回も言っていない。 殺してしまって申し訳ないだなんて、一回も言っていないんだ。 「嫌いでした。 あなたの事は、好きになれませんでした。 僕が、苦しんで苦しんで人を騙しているときに、 僕を疑わずに信じてしまうあなたがただ憎らしかった。 僕が、苦しんで苦しんで人を切り捨てているのに、 自分も生き残った上で他人も救っているあなたが憎らしかった。 僕が、苦しんで苦しんでリョーコさんを信じているときに、 凛々ちゃんと何の疑いもない信頼を結んでるあなたが、羨ましくて、憎らしかった……」 敵として対面していた、破顔一笑や、先手必勝さんたちや、傍若無人とは違う。 たとえ一時的だったとしても……仲間の体をとっていたにもかかわらず、生まれてしまった感情。 吐き捨てるように、俺は言った。 「あなたも僕も、人殺しなのは同じなのに。 あなたも僕も、弱いのは同じなのに。 あなたも僕も、生き残ろうとしてるのは同じなのに。 どうしてこんなに違うんだろうって、思ってしまったんだ」 『だよなあ』 声は心の深いところで反響する。 嘲笑うような納得の呟き。そうだ。解釈は口に出せば納得を生み出す。 うん、そうだ。 俺はあなただけは、仕方なく殺した訳じゃない。 最後の一押しを自分の手で出来なかっただけで――そこには、惨めで汚い、嫉妬色の悪意が隠れていたんだ。 だから――後悔だ。 一生後ろに引きずって悔い続けなきゃいけない、「僕」の罪だ。 『まあ、わかってんなら良いんだよ、オレはね。 これからもいつまでだって、お前がちょっといい気分になって帰ってきたときに、 こんな風にお前の心をちくちく刺しに現れてやるってことだけ、わかってんなら。 どんだけ雑に殺し直されようと、笑って見過ごしてやるよ。 特別じゃねえさ、誰にだっているもんさ、世の中には……どうやっても好きになれないやつも。 どう足掻いても許してもらえねえことをしてしまった奴も。いくらでも。ありふれているのさ……』 オレたちは、だから人間なんだぜ。 くは。くははは。 くはははは。 俺の脳を揺さぶるような不快な笑い声を、俺はつとめて聞くようにした。 それを聞き続けることだけが、俺にできる償いだったから。 じきに足にかけられた爪の重みも融ける。 足りない懺悔は明日に回して、今日はもう寝る時間だ。 部屋の扉を、開ける。 「あうー」 「……ただいま、××××」 閉じた扉のこちら側には、四角い紙が乱雑にピン留めされている。 現実感を喪失させる、病的に白いその紙には、「胡蝶之夢」の七色の文字が光っている。 俺の部屋の扉は夢と現実の境界線になっている。 そして、俺の部屋のベッドの上には、××××がいる。 首輪につながれたまま、手足をばたばたさせて無邪気に俺を出迎える。 「うー、たらいまー、おにー」 「こういうときはただいまじゃなくておかえりって言うんだよ」 「おかえいー? おかえいー! おかえーいー!」 「……まあ、いいや」 はしゃぐ××××を半ば無視して、俺は机の上に向かう。 机の上に置いてある本を手に取って、ベッドへと歩いていく。 昨日新しく買ったその本は、四字熟語辞典だ。 「今日もおやすみのまえに、言葉の勉強をするよ」 ――あのとき。 最後の部屋での最後の瞬間、××××が最後に使った文字は、「自己否定」だった。 自己の否定。 事故の否定。 世界を否定し、あらゆる結末を否定し、 あらゆる死を否定して生きようとし続けた彼女が最後に否定したのは、それでも殺されようとしている自分の存在だった。 心臓を撃ち抜かれた瞬間に使われたその文字は、撃ち抜かれた自分という事実を否定した。 それと同時に、彼女自身の存在も否定した。 結果、残ったのは――生き残ったのは。 全てを忘れ、全てを失くし、自分でも自分を何と読めばいいのかわからない、××××。 《読めない文字》だけだった。 もう俺にも、彼女が何と呼ばれていた存在だったのか、思い出すことはできない。 ただ、彼女が人間ではなく文字であることと。 絶対に許してはならず、殺さなければならない憎むべき存在であることは、しっかりと覚えている。 彼女が俺たちの人生を歪ませた張本人だということは、間違いない事実だ。 だから俺は、××××に首輪を付けた。 夢に閉じ込めたまま、俺の部屋から動けない様にして。××××の命を、握り返してやった。 「えへー、おにー」 「何だよ」 「えへーへー、ほんー、おにーのほんー、たのしいー」 「……絡みついてこないでくれ」 この状況は俺にとって、決して悪いものではなかった。 こうなって良かったと言ってもいい。 まず、俺の命が助かったということが一つ。完全に刺し違える覚悟だったから、何よりの僥倖だった。 次に、彼女の命を握ったことで、俺の安全が保障されたことが一つ。 どうやら、彼女の存在は俺たちをあの実験に巻き込んだ勢力において、信仰と崇拝の対象だったらしい。 『そうですか。そう、なりましたか。分かりました。貴方には、もう手が出せません。 私達に関わりに来ない限り、貴方の人生の平穏を約束しましょう。貴方の勝ちです――私達の、負けですよ』 番号の分からない電話の主にそんなことを言われたのが昨日、殺し合いから開けて初日のことだ。 勝ちだの負けだの言われてもいまいち感慨はなかったし、勝手なことをとしか思わなかったが、 ともかくこうして、俺は普通に生き続ける権利を得た。 リョーコさんと約束したように。精一杯生き続けるための、切符を得たのだった。 「じゃあ、今日は4ページ目から」 でも、それで納得ができているかといえば、そんなことはない。 自分を失くしてしまったとはいえ――無邪気で何も知らない、まっさらな《読めない文字》になってしまったとはいえ。 ××××が生き残ってしまっていることを、俺はやはり、許せていない。 優柔不断さんの言う通りだ。 世の中には、どう解釈したって許せないやつが、一人くらいはいる。 かといって、今の××××をただ殺したところで、なんの意味もない。 こうして××××に文字を教えているのは、一種の実験を兼ねている。 幼児のように何もわからなくなってしまった彼女に、文字を教え続ければ。 いつか自分が自分をなんと読むのだったのかを思い出すのではないか、そういう期待を込めている。 もし、うまくいって、彼女が自分の読み仮名を思い出すそのときがきたら、今度こそ――――。 「この文字は、切磋琢磨」 「せつさーたーくまー」 「この文字は、破顔一笑」 「はーがんいっしょ」 「この文字は、鏡花水げ――うえっ」 「にー? どしたー?」 「何でもない。この文字は、青息吐息。この文字は、以心伝心。この文字は、一刀両――――う、えええっ」 「おにー!?」 「……ごめん。ちょっと、トイレ」 それと、もうひとつ、この時間は、俺のリハビリも兼ねている。 急に嗚咽をし始めた俺を心配そうに見つめる××××をその場に置き去りにして。俺はふらふらと部屋を出る。 トイレに入ると、勢いよくうずくまり、胃の中身を吐き出し始めた。 バケツをひっくり返したような勢いでどざーーーー。そのあと、ちょろちょろ、ぼとり、ぼとり。 ラーメンと酸が混じったひどい匂いと汚い色の吐しゃ物が便器の底にたまるのを、どこかふわふわとした視界でじっと見つめ続けた。 ああ、やっぱり。 いくつも続けて耳に入れるのは、まだ無理だったみたいだ。 どうしてもそれがただの文字に思えない。 どうしても、聞き流すことが出来ない。 「……今日は、ここまで。続きはまた明日」 「あしたー」 「おやすみ」 「……おやすみー」 三、四回ほどトイレと部屋を往復しつつ授業を終えて、部屋の電気を消す。 おやすみの四文字を機に、すぐさま××××は隣ですやすやと寝息を立て始めた。 まったく――人の気も知らないで。 なんて、文字でしかない彼女に、言うことではないのかもしれないけれど。 ◆◆◆◆ こうして、「紆余曲折」を経て――俺は悪夢を終えて、日常へと帰ることに成功した。 ちょっとだけ、強くなって。 家に帰ると夢見が悪くなって。 年の離れた妹が出来て。 あと――四字熟語が、吐くほど苦手になったけれど。 それでも俺は、この世界を、生き延びていく。 (終) 家族関係 前のお話 前のお話 四字熟語 次のお話 おはなし(終) 会木巡(紆余曲折) おはなし(終) ×××× 用語解説 【四字熟語】 日本において漢字4文字で作られた熟語を指す用語。 四文字でつくられた熟語すべてが四字熟語と呼ばれるわけではない。 その範囲はあいまいで、人それぞれの解釈による。 本編一覧へ 四字熟語ロワTOPへ 非リレーロワTOPへ
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3181.html
04◆急曲直下(前) 殺し合いで生き残るためには、何をすればいいんだろう。 屋上駐車場へ続く広いスロープ道をてくてくと登りながら、紆余曲折はそんなことを考えていた。 「バーチャルゲームみたいに、必勝の攻略法があったら良かったんだけどな」 配布されたルールのおさらい用紙を眺めながら、紆余曲折はううんと唸る。 用紙には実験のルールが、あの虹色のインクで、妙にコミカルな自体で書かれていた。 そのうち、重要だと思われるのは2つ。「禁止エリア制度」と、「店内放送」について。 「まず、店内放送について。 参加者が5人死ぬごとに、この娯楽施設には店内放送が流れ、死者の名前が発表される。 最初に焼肉定食さんが死んでいるから、第一放送は4人が死んだところで流れるらしい。 で、焼肉定食さんを入れて、参加者は17人。つまり第三放送が流れたときには――残りは2人ってことだ」 とりあえず、これだけなら厄介ではなかった。 せいぜい誰かの名前を騙ることが難しくなるくらいだが、そもそも名簿は顔写真付き。 プラス、みんな本名ではないんだから、名前を隠す必要もあまりないはず。 「問題はこっちの方――禁止エリア制度の方だ。 店内放送が流れるたびに、9マスに分けられたマップのうち2マスが禁止エリアに指定される。 その1時間後から、禁止エリアに入れば、首輪が爆発するようになる。 残り2人になったときには、6マスが指定されて残り3マス。 そしてそれだけでは終わらずに。そこからはさらに2時間ごとに、1マスが禁止エリアになる……」 つまり、最後のひとりになるまで隠れてやりすごす、という手が取りにくいのだ。 隠れているエリアが禁止エリアに指定されたら、そこから動かなければならない。 不用意に移動して→誰かに出くわし→ズガンと殺される。頭の中でオチが容易に想像できてしまう。 捕捉として、24時間誰も死ななかった場合には、全員の首輪が爆発するようになっている、というルールもある。 このルールによって、参加者全員、あるいは3人以上での籠城戦も否定されていた。 要は首輪をどうにかしない限り、殺し合いは避けられない。 でも、首輪はまず外せないだろう。 相手はこの娯楽施設に参加者をワープで運んだり、首輪を全員の首に突然出現させたりできるのだ。 そんな奴らが、何かの工具や誰かのルール能力で外せるような首輪を用意するとは考えられなかった。 この時点で詰んでいるのだ。 ルールを拒否し、主催側に反逆するという道は――完全に断たれている。 「まあ、実験の公平性をどうとかで知り合いはいないらしいし、 僕には知らない人の命を守ろうと思えるほどの良心はないから、どっちにしろルールに乗ってはいただろうけど」 少し心無いことを言ったかな、と紆余曲折は思ったが、実際そうなんだから仕方ないよなあと思い直す。 人間関係の記憶が奪われている以上。 紆余曲折にとっても、他の参加者にとっても、自分以外の全員はまったくの赤の他人だ。 もちろん、奇々怪々らによって記憶を消されているだけで、ホントはみんな知り合いだったりするかもしれないが、 そんな可能性はあまり考えたくはないし、考えてしまったら誰も殺せなくなる。 素直に奇々怪々の「知り合いはいないはずだよ」という言葉を信じた方が、おそらく色々とやりやすい。 ひとりきりで、生き延びていける。 まあ……赤の他人だからといって、人を殺せるかどうかはまた別の話だが。 「うん。僕は人を殺せるような人間じゃない――と、思う」 思うだけだけど、と紆余曲折は付け加える。 その間も、てくてくとスロープ道を登っていく。低い壁に囲まれた屋上駐車場が見えてきた。 マップによれば、ここにあるエスカレーターゾーンから、娯楽施設の二階に降りることができるようになってるらしい。 結局結論は出なかったが、まずは人に会わないように二階から中を回ってみよう。 ついでに食料もゲットできれば御の字だ。 紆余曲折はそこで考察を止めて、屋上駐車場に入るスロープ坂を登り切った。 その瞬間――横から伸びてきた日本刀が、紆余曲折の体を貫こうとした。 「え、――!?」 どこから。と考えて、答えはすぐに出る。 というかさっきまでずっと独り言を声に出していた上に、足音もぜんぜん隠してない紆余曲折が悪かった。 紆余曲折は、壁に隠れて待ち伏せされていたのだ。 横を見るとそこには、ポニーテールに上下ジャージ姿の勝ち気な目をした女性がひとり。 まっすぐに紆余曲折をみつめて、……あぁん? と呟いている。 「あぁん? なんで軌道がずれて……?」 よくは分からないが不思議そうな顔をしている。逃げるなら今だ、 前に飛びこむようにして日本刀を回避する。しかしそこにはもう一人、田舎っぽい服を着た女の人がいる。 「死にぃな!」 「うっわ、!?」 彼女もまた血気盛んにバールのようなものを振りかざし、紆余曲折を狙う――が、不思議なことが起きた。 なぜかバールが、見当違いの軌道を描くのだ。まるで本来のまっすぐな軌道が嫌になったみたいに、《迂回する。 しかし最終的には、もとの目的地にたどり着こうとした》。 困惑する紆余曲折と田舎娘の後ろで、ばたんとポニーテールの女性がバランスを崩して倒れる。 紆余曲折は後ろを向く。女性の握る日本刀が――紆余曲折に向かって切っ先を向けている。 三人は同時に叫んだ。 「「「ルール能力か……!」」」 そう、これらの現象は全て、紆余曲折のルール能力によって起こった現象だったのだ。 直感でそれを理解した田舎娘はいったん攻撃を止め、 ポニーテールの女性は起き上がって距離を取り、 紆余曲折はバールの射程圏外へと逃れた。 待ち伏せからの奇襲は――失敗した。 「……」 「……」 「……」 じり、じりと。 沈黙の中、逃げられない距離を保ちながら、三人は体勢を立て直す。 胃がねじれそうな緊張感がきりきりと周囲に溜まっていくのを、全員が感じていた。 紆余曲折はぼんやりと思い出した。 この二人は、参加者名簿に載っていた。田舎娘のほうが「猪突猛進」で、ポニーテールのほうが「一刀両断」。 だったと思う。 少なくとも、参加者には間違いない。だからこの二人にも四字熟語に見合ったルール能力があるはずで。 それが分からない以上、紆余曲折は二人に背中を見せられなかった。 あんまり人がいないと思って来た屋上駐車場に二人も殺し合いに乗った人が居るなんて、最悪だ。 どうやって、逃げるべきか。 知らず知らず発動してしまった自身のルール能力は、 さっきの一合で、《攻撃の軌道を一定時間逸らす》だとばれてしまった。 一見すると強い能力に思えるけど、逸らせるのは一定時間だけで―― 「攻撃を逸らしている間に射程範囲から逃れるか、攻撃自体を止めないと、結局は当たってしまう。だろ?」 「……!!」 沈黙を破ったのは、ポニーテールの上下ジャージ女、一刀両断だった。 紆余曲折が思考している間に、彼女もまた自分の考えを煮詰めていたらしい。 しかも答えを出したようで――不敵に、笑っている。紆余曲折の背筋が、ひゅるりと寒くなるくらいに。 「何いってるんだにぃ、いっとうりょーだん?」 「あいつのルール能力だよ、猪突猛進。 《攻撃を迂回させる能力》。厄介だけど一回見てしまえば攻略法は思いつくぜ。 見た感じ、あいつは雑魚だ――あたしたちの攻撃を止めるなんて選択肢は取らねえ、いや取れねえだろうよ。 なあそうだろ? 確か、紆余曲折くん……だっけか」 「そうだよ。僕は紆余曲折だ」 「あ、うちは猪突猛進だにぃ。よろしく死にぃな」 「よろしく。死ぬのはお断りします」 「あたしは一刀両断だ。で、ほら。お前はこの剣、白羽取ってみる勇気はあるかよ?」 一刀両断が、日本刀をひゅっと振る。空を切る速度は、例え《迂回》させても紆余曲折には取れそうもない。 「……残念だけど、無理ですね。でも、僕にはまだ、選択肢がある。 貴女たちからひたすら逃げれば。距離を取り続ければ。プラスこのルール能力で、攻撃をほとんど躱せるはず」 「そうだな。いくらこっちが殺る気でも、あたしたちは女子。お前は男。 で、あたしたちの武器はどっちも近距離専。攻撃範囲外に逃げるのはたやすいし、 普通なら、迂回させられる分も含めて、攻撃を当てるのは無理だろうよ……普通なら、な。 おい、猪突猛進。《アレ》頼むぜ」 「えー、《アレ》はやだにぃ。うち、まだ人間捨てたくないんだにぃ」 「つべこべ言うなよ、さっき同盟組んだだろうが。ホラ、こいつ殺ったら下でステーキ焼いてやるから」 「がたっ。ほんと? ほんとじゃなかったら殺すにぃ?」 「ガチだよ、あたしは料理のできる25歳だ」 「25にもなって料理できない方がアレだにぃ」 ま、やってやるにぃ。 そう言って、しぶしぶといった感じでしゃがむ、猪突猛進。何か、する気だ。 とっさに身がまえた紆余曲折の目に飛び込んできたのは――ありえない光景。 「《超・猪突猛進……イノシシ変化》」 ぱあん、と、着ていた田舎っぽい服がはじけ飛ぶ。そしてどんどん、猪突猛進の体が変わっていく。 少し太めだった体型がさらにずんぐりと。代わりに手足が短く、四足歩行に。 尾てい骨のあたりからかわいらしげな尻尾が生えたかと思うと、全身が茶色の短い体毛に包まれて風になびいた。 あんぐりするのも束の間に、猪突猛進は正真正銘、《本物のイノシシに変わってしまった》。 一刀両断はそんな猪突猛進の背中にひょいとまたがると、マサカリならぬ日本刀を肩に担いで前口上を述べる。 「すごいだろ、こいつのルール能力。あたしも最初に見たときは驚いた」 「というか、何でもありって感じですね。こんなところで人生最初のイノシシに出くわすなんて……」 「最初で最後の、だぜ。悪いけどもう、お前の逃げ道はねぇよ――そら、無様な背中を、あたしに見せろ!」 号令。 イノシシがずどん、とコンクリの地面を踏み鳴らす。 聞いた紆余曲折は反射的に、真横に向かって走り出した。 50メートル走は7秒2。時速でいえば25km。といっても全速で走り続けられるわけがないのでもっともっと遅い。 屋上駐車場は広かった。でも車は一台も止まっていなくて、今の紆余曲折にとっては、隠れ蓑が無いのと同義だ。 ひとつ舌打ちをして、角度をつけて曲がる。 豪速で走り、早くも紆余曲折に追いつこうとしていたイノシシは、ブレーキをかけて曲がってまた追ってくる。 「やるじゃねぇか。いい判断だ。ただ直進で逃げてたら、イノシシはトップスピードの時速45Kmに乗っちまう――、 時々曲がって減速させなきゃ、人身事故に遭っちまうもんなあ!」 上に乗って金太郎気分の一刀両断がかかかと口を開けて笑う。 時速45km? 冗談じゃない。紆余曲折は全力で走りながら心の中で否定する。 体感じゃすでに、それよりずっと速い。 「さあ、スピードを上げてくぜ!」 もっと上がる。肉薄してくるのはイノシシの体と、濃厚な死の予感。 急な運動の見返り以上に、迫る恐怖と絶望感で紆余曲折の心臓ははちきれそうだった。 それだけじゃない、イノシシの追走はおそらく一刀両断によって、あえて最短ルートから外されているようだった。 人身事故なんてのはハッタリ。 実際にはイノシシは、紆余曲折の近くへせいぜい、並走しようとしてるだけ……そう、だから、攻撃ではない。 攻撃ではないから、猪突猛進の突進を曲げることはできないのだ。 付きまとってくる想像上の死神に、たまらなくなってまた曲がる。 するとイノシシがすぐ後ろで曲がって――日本刀の切っ先が、振り下ろされているのを、見た。 やばい。 すぐに勢い足を動かし、距離を離そうとする……でももう、遅かった。 紆余曲折に向かって振り下ろされた日本刀は、いくらかの迂回を経て再び、紆余曲折の元へ。 「ぐ、お、おおお!!」 ぎりぎりデイパックで防御する――しかし。 「残念だったな。あたしのルール能力で、この日本刀は……《防御なんか意に介さず、ただ一刀両断》する!」 デイパックは中に入っていた鋼鉄の盾ごと、真っ二つに切り裂かれ。 紆余曲折の背中に、綺麗な赤い線が産まれた。 反転少女 前のお話 次のお話 急曲直下(後) 前のお話 四字熟語 次のお話 都市伝説 紆余曲折 急曲直下(後) 一刀両断 急曲直下(後) 猪突猛進 急曲直下(後) 用語解説 【ルール能力】 四字熟語から抽出した「言葉の力」をもとに参加者一人ひとりに与えられている、絶対不変のルール。 能力である前にルールなので、弱体化や無効化はほかのルール能力以外ではありえない。 本編一覧へ 四字熟語ロワTOPへ 非リレーロワTOPへ
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/429.html
2007年03月01日(木) 08時47分-納豆むすめ 古新聞が たくさんあるので 裁ちばさみにて 切り刻みます ジャキジャキジャキジャキ ジャキジャキジャキジャキ いやらしいほど イイ音たてて まっくろくろけの 無意味な紙ども 床一面に 広がっていく ああ その情景 まるで海のよう! 海のどまんなか ちょこんと正座し 両手を頭上に 高々と挙げ 「わたしは気高い孤島なのよ」と 無意味な台詞を叫んでみました お久しぶりです。
https://w.atwiki.jp/goldmedalit/pages/65.html
ナ 馬名 欧字名 馬名意味 生年 備考 ナカヤマフェスタ Nakayama Festa 冠名+祭 2006 ステゴ産 ナリタスレンダー Narita Slender 冠名+均整のとれた 2005 応援 ナリタセンチュリー Narita Century 冠名+世紀 1999 コンビ ニ 馬名 欧字名 馬名意味 生年 備考 ニシノプライド Nishino Pride 冠名+誇り 2004 ウンス産 ニシノロマンス Nishino Romance 冠名+ロマンス。いい夢を見せて欲しい 2002 P04-5 ヌ 馬名 欧字名 馬名意味 生年 備考 ヌチグスイ Nuchigusui 沖縄の言葉で命の薬 2001 P03-4 ネ 馬名 欧字名 馬名意味 生年 備考 ネイティヴハート Native Heart 自然のままの+心 1998 応援 ネオイリュージョン Neo Illusion 新たな幻想 2006 P08-9 ノ 馬名 欧字名 馬名意味 生年 備考 ノータブルアート Notavle Art 著名な美術品 2004 P06-7
https://w.atwiki.jp/kutinasi/pages/23.html
名前:意味(こころび) 不明(ふみょう) 所属:政府 性別:男性 年齢:不明 種族:改造人間(失敗作) 仲間内の名:「暴食」「ベルゼブブ」「グラトニー」 容姿:目は紅く、髪は真っ白で鎖骨あたりまで 全身が黒い甲殻っぽいものでできていて背中から短めの腕が2本生えている 爪は鋭くて関節が節のようなものになっている、 身長:2m34cm 服装:真っ黒くて大きい布を全身を覆う隠すように纏っていて、顔には角が2本生えている髑髏のような 鬼面を付けている 心器:蠅王国の皇帝 形状は大きい城、奥には大きい玉座、所々に白骨化した大きい蠅の装飾がつけてある 設備は闘技場や広いコンサート会場、たくさんの部屋などの設備が整っているが、館の中に蟲が大量の蟲がいるためほとんどの設備が蟲で蔓延ってる 入り口は大きい門があるが閉ざされていて入ることができず、入る時は別の小さい扉からしか入れない 完全な具現化は不可能 能力1:暴食【蝗蠅】 城の門を開き、羽が4枚ある蝗の群れを呼び出す 蝗の構造は普通の蝗と変わらないが体の全てが腐食の要素でできていて、体液の色が赤黒く量が多い 防御力は全くなくほとんどの攻撃ですぐ潰れる 応用として蝗で銃弾を構成し腐食する銃弾を撃つことも可能 能力2と同時使用は不可能 能力2:暴食【蛭蟻】 城の門を開き、顔が蛭のようになっている蟻の群れを呼び出す 蟻の構造は普通の蟻と変わらないが体のすべてが錆びる要素でできていて、体液は青黒く量が多い 防御力は全くなくほとんどの攻撃ですぐに潰れる 応用として銃弾を錆びの蟻で構成し撃ち出すことも可能 能力1と同時使用は不可能 補助武器:失楽園 形状はブローニングM1918自動小銃が2艇 画像↴ 銃身長が670mmへと伸ばされていて、色は全体が真っ黒になっている 弾倉は20発装填のもので、肩に掛ける紐が取り外されている ストックに黒い角が2本交差していてその真ん中に髑髏が描かれた羽を4枚持つ蠅が描かれている ストックの一番後ろに黒い鎖が1本繋がれていて先が尖っている 銃の本体部分には「――Beelzebub in Heaven to Paradise Lost――」と両側に書かれている いつもは背中の腕が持っていて見えないようにしてある 備考:政府の実験によって改造され姿がこうなってしまった 実験内容は「心操者を鍛えるのではなく改造すれば手っ取り早く強くできるか?」でコンセプトは「七つの大罪」 しかし実験は失敗し、身体性能などは人とまったく変わらず、姿のみが変化し化け物のようになってしまった 実験中に頭の中にとある機械が埋め込まれ、「何をしたか、どこにいるか、裏切るつもりはあるか」などを把握できるようになっており、裏切った場合などに科学員がスイッチを押すと機械の中にある爆薬などが起爆され頭が弾け飛んで殺せるようになっている 改造される前は心器の城も赤く、髪も赤かったが実験の影響によって色が変わった
https://w.atwiki.jp/warofbrains/pages/486.html
身代わりの術 UNDER SIDE タイプ コスト 学問 トラップ - 生物学 発動条件:味方ユニットが、対戦相手のスペルや攻撃の対象になった。▶<丸太>が出現し代わりに対象になる。 所属国 LAPIS レアリティ RARE CV - illust IWAO フレーバー 狡兎三窟。素早い兎でさえ隠れる穴を三つ準備する。まずはこの術だポンスケ。 ~忍誅党頭領 ゲンドウ~ ▷効果の解説 トラップ発動条件:味方ユニットが「相手のスペルの対象」か「相手ユニットの攻撃対象」に指定されたとき。 いずれも「対戦相手の任意による対象の指定」が条件になる。「ランダム/全体/範囲」による対象では発動しない。 ▶あなたの場に<丸太>のトークンユニットを1体出す。 相手のスペルか攻撃の対象になったユニットの代わりに、この効果で場に出た<丸太>がその対象になる。 あなたの場のユニット数が最大(7体)以上になる場合は過剰分となるユニットは配置されない。 トークンユニットも、すべての領域で通常のユニットと同じように扱われる。 <丸太>は、効果によって生成されるトークンユニット。 カード名 レア 種族 学問 コスト AT HP テキスト 丸太 - - 1 0 1 ▶ガーディアン ▷備考 第3弾『Sword of Nemesis』に収録されたRAREのカード。 NEUTRALの忍者ユニットが持つ<丸太>による身代わり能力を再現できるトラップ。 LAPISのでは初のスペルに反応するトラップ。 加えて直接攻撃にも有効と対応範囲に優れ、一時凌ぎではあるが多くのケースで敵の1手を実質無効化できる。 <宵の露 アサギリ>によりブーストされたユニットや、第3弾より爆発力が増した<破断のカオスクイーン>といった、長く居座りたいユニットと併せると効果的。 フレーバーの「狡兎三窟(こうとさんくつ)」は、 素早い上に用意周到に準備がある/難を逃れる事が巧みであることのたとえの四字熟語。 2017年7月31日発売「カードゲーマーvol.35」でカードが先行公開された。 初出から実装までに、発動条件から「能力」のテキストが修正されている。 発動条件:味方ユニットが、対戦相手のスペルや能力や攻撃の対象になった。 △ ▽コメント 名前
https://w.atwiki.jp/kakiteseihai/pages/14.html
●=サーヴァント/○=マスター 【書き手ロワ2nd】 ●よっみー 【二次キャラ聖杯戦争】 ○≪零に還りし人間≫セイヴァー 【テラカオスバトルロワイアル】 ●魔法老人シックスラッシュ/●三代目混沌 【古生物バトルロワイアル】 ○ロワ学の権威・ソーム教授 【クロスオーバー・モンスター闘技場】 ●怪物スージー 【アクションフィギュア・バトルロワイアル】 ○アーキタイプ 【バーチャルリアリティバトルロワイアル】 ●新の王 ニュー・プラネット/○フェイト・バトル・ビッグバン 戦の王/●万の王 オールマイティ・メテオシャワー 【kskアニメキャラバトルロワイアル】 ●勇者・変態閣下/○29NIKUマニア 【ラノベ・ロワイアル】 ●仮完結ルート 【ヒグマ・ロワイアル】 ●暴君ヒグマ/○Dr.ヒグマ 【PSYREN聖杯戦争】 ●サイレーン 【第二次二次キャラ聖杯戦争】 ○≪てのひらに聖杯を≫ムーン・キャンサー/●一護の人 【RPGロワ】 ●ヴァルハラ 【中学生バトルロワイアル】 ○ジゼル 【千本桜を国歌にしロワ!+国家ロワ2nd】 ●千本桜/○”始まり”にして”終わり”の書き手 【AAAキャラバトル・ロワイアル】 ●時空剣士ルシオ/○トライア・エース 【ドラゴンクエスト・バトルロワイアルⅡ】 ●仮面の王と夢の塔・クルツ/○悪しき世界の人々・ワンダブル 【四字熟語バトルロワイアル】 ●起承転結 【モバマス・ロワイアル】 ○最高の友達P 【書き手バトルロワイアル4th】 ○4-1 【やる夫がバトル・ロワイアルに参加させられるようです】 ●ヤー竜夫 【新安価ロワイアル】 ○“GAME CLEAR”オーブ 【アニメキャラバトルロワイアル3rd】 ●アニス 【ジョジョ×東方ロワイヤル】 ○クスクル・ジョースター 【新西尾維新バトルロワイアル】 ●零崎傾識 【ミリオンライブ・バトルロワイアル】 ○未覚醒の音符P 【ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd】 ●偉大なるシ/○偽最終回書き手ユカコ 【剣客バトルロワイアル】 ●死穢塗無爲 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 【[[]]】 ▲上へ戻る
https://w.atwiki.jp/ktom/pages/197.html
作詞・作曲:長靴P 唄:初音ミク http //www.nicovideo.jp/watch/sm4680425 歌詞 頭悪いね 不器用だね くだらないね 期待はずれだね いい意味でね そう思っときゃオーライ! いい意味でね 間が抜けてるね 大人気ないね 男らしくないね 女らしくないね いい意味でね ほんとの意味は知らねー いい意味でね そう思っときゃオーライ! いい意味でね ほんとの意味は知らねー いい意味でね 要領悪いね 動作がトロいね 空気読めないね 無神経だね いい意味でね ほんとの意味は知らねー いい意味でね そう思っときゃオーライ! いい意味でね 想像力で補うのさ いい意味でね コメント 名前 コメント trackback
https://w.atwiki.jp/kanji-jyukugo/
漢字熟語wikiへようこそ ここはみんなで漢字辞典を作っていく場所です。 このサイトは会員登録していただくと自由に編集することができます。 新しい漢字ページを作る場合は、既存のページをコピーして作成してください。 編集メンバーになりたい方はこちらから(現在のメンバー数は、1人です) @wikiの基本 @wikiの基本操作 編集モード・構文一覧表 @wikiの設定・管理 分からないことは? @wiki ご利用ガイド よくある質問 @wiki更新情報 @wikiへのお問合せフォーム 等をご活用ください バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問い合わせフォームからご連絡ください。